空間と体験の可能性を追求する乃村工藝社のオウンドメディアnomlog(ノムログ)。
田辺 真弓 BIMアングラー
BIMアングラー

BIMで拓く空間プロデュースの世界

2021/09/28
本稿では乃村工藝社グループ(以下、ノムラと表記)が「業務効率化」や「フロントローディング」等の効果によって「業務プロセスを改革する」事を目指したBIM(Building Information Modeling、ビム)※の取組みについてご紹介します。

はじめまして。BIMルームチーフの田辺真弓です。ノムラでは2017年度にBIMルームが発足しました。今年度は4年目で、現在は9名が在籍しています。女性多め、コミュニケーション力高めの明るいチームです。

BIMとは「Building Information Modeling」の略称で、コンピュータ上に作成した3次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等、建築物の属性情報を併せ持つ建物情報モデルを構築することです。(国土交通省HPより引用)

BIMへの期待

ノムラは主に、空間プロデュース企業として、「調査・企画」「デザイン・設計」「制作・施工」「運営・管理」をトータルにサポートしている会社です。建築物を建てることは稀なのですが、建設業界と同様に、BIM活用で得られる効果はいくつもあると考えています。

「業務効率化」や「合意形成の迅速化」、「作業を前倒しで進めるフロントローディング」、「データの共有や蓄積」、「コンピュテーショナルデザイン・デジタルファブリケーションの採用(関連記事はこちら)」等。BIMを導入することによって業務プロセスが変化します。

社内ではプロジェクトを通して実証した事例を共有し、BIMの有効性をアピールし、理解を得て賛同していただく、というプロセスを繰り返しています。

今後は、空間プロデュース企業ならではの「ノムラらしい BIMスタイル」を創造していくことで、新たな業界とのつながりやビジネス機会創出、SDGsへの貢献を目指していきます。


社内向けBIMポータルサイトを立ち上げ、社内への情報提供や有効性をアピールしています

BIMルームの活動

BIMルームでは、主に4つの活動を行っています。これら4つの活動は相互に作用しあって、アップデートし続けています。

1.NOMURA BIM GUIDELINE

自社オリジナルの BIMガイドラインを策定しています。統一されたルールに則ってモデリングおよび情報を入力することで、データの有効活用を行う事が出来ます。

ガイドラインでは下記の項目を記載しています。
・データの取扱いルール(フォルダ構成やファイル命名規則、データの置き場等。)
・「シートリスト」(種別や番号等。展示工事ならではの分類にしています。)
・「DRAWING DEFINITION」(図面指南書。図面表現について1枚ずつ解説しています。)
・アイテムを細かく定義した「Classification」や集計表に反映できる「パラメータ」等。
・「詳細度」(基本設計や実施設計など、各フェーズにおけるデータ詳細度を定義しています。)
・「BIM実行計画書」フォーマット
・「BIMワークフロー」(プロジェクト種別ごとにワークフローの雛形を作っています。)
などなど…。

また、BIMデータとしては下記を整備しています。
・オリジナルの「Revitプロジェクトテンプレート」
・オリジナルの「Revitファミリ」(コンテンツが豊富になるよう随時新規製作しています。)
・サンプルプロジェクトデータ(「子供向けの書店」が題材となっています。)


オリジナル「Revitファミリ」の一部

2.教育

「BIMとは?」の啓蒙活動や、「オリジナルRevit講座」などを実施しています。特に「Revit講座ダイジェスト編」では、BIMの概要と簡単なRevit操作方法をMIXさせた短時間講座となっており、デザイナーやプロダクトディレクターのみならず、アカウントやプランナーまで幅広く受講していただいています。

教材は自社のガイドラインを盛り込んで作成しており、講師もBIMルームメンバーが担当しています。社内のメンバーが講師を務めることで、受講後のプロジェクト相談や、アプリ操作に関する質疑対応がスムーズに行えています。


オンサイト教育の様子

3.BIM プロジェクト支援

BIMデータを活用するプロジェクトに関して、BIMルームメンバーが BIMディレクターとしてアサインされます。BIMディレクターはBIM実行計画書を作成することで、目的や役割責務、データ構造やコミュニケーションなどを明確にし、体制・システム・プロセスを構築します。

「BIM活用の目的」はプロジェクトによって都度、異なります。 これまでの事例ですと、「CG作り」や「点群スキャン」、「干渉チェック」のニーズが多い傾向でした。現在は「多店舗形態」でのBIM活用や、「Rhinocerosを使ったコンピュテーショナルデザインとの統合」といった BIM活用を推進しています。

4.調査/研究

BIMルーム内ではビジュアルプログラミングツールの「Dynamo」を使った便利機能や、設計案を生成させる「ジェネレーティブデザイン」に興味を持つ人が多く、研究テーマにしています。例えば「曲面にタイル配置のレイアウトを割り付けるDynamo」や「ジェネレーティブデザインで密を回避したレイアウトをする」などです。下期からは「コンピュテーショナル・サークル」を立ち上げ、お互いに情報交換をし、アドバイスし合う活動を始めました。

BIMルーム内で整理できた知見やテクニックに関しては、「Tips」として動画配信しています。また、「N-RUG(エヌラグ、Nomura Revit User Groupの略)」という社内グループ会の中で発表も行っています。

 
「Tips」の表紙と動画キャプチャーの抜粋

 
「N-RUG」の表紙とオンライン動画キャプチャーの抜粋


また、コロナ禍の現在はリアルコミュニケーションの機会が減ってしまって残念なのですが、他社様とのオンライン情報交換会やオンラインセミナーなどで、BIMやBIMまわりの動向をリサーチしています。若いメンバーは情報収集がとても早くて、いつも感心しています。

以上、4つの活動をご紹介させていただきました。その他にも社内情報発信&コミュニケーションとして、「社内BIMポータルサイト」の整備や「BIM チーム」といったTeamsグループチャットなども開設しています。


Teamsグループチャット「BIMチーム」開設の案内

BIMルームのメンバー紹介



コロナ禍の現在、BIMルームメンバーは、ほぼテレワークをしています。初対面の面会や重要会議、オンサイト授業など、限られた場合に出社しています。ほとんど全員で顔を合わせることが無いのですが、毎週月・水・金曜日はオンライン朝礼を実施しています。些細な事ですが、朝礼の時は必ず「画面表示をON」にして互いの顔を確認できるようにすることを方針として決めています。

BIMルームの4つの活動には担当分けがありますが、お互いに連携し合ってより良いアウトプットを出すために、良好なコミュニケーションは欠かせないと思っています。

以上、乃村工藝社グループのBIMの取組みについてご紹介させていただきました。
次回は、BIMのワークショップを開催した様子についてレポートさせていただきます!
 
田辺 真弓 BIMアングラー
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