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山田 知佳 観察プランナー
観察プランナー

インターンシップをプランニングする vol.2 -対談編-

2022/03/08

乃村工藝社では毎年インターンシップを開催していますが、今年は完全オンラインでの開催となって2年目を迎えました。このノムログでは「インターンシップをプランニングする vol.2」記事シリーズとして、今年度実施したインターンシップの振り返りをレポートします。
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本記事では2021年秋に行ったインターンシップの総集編として、学生の皆さんに個人で取り組んでもらった事前課題とチームで取り組んでもらったグループ課題について、全3回・約100名の学生のみなさんが作り上げた提案書を見ながら、インターンシップのプランニングを担当した3人で振り返りました。


今回インターンシップのプランニングを担当した3人。左から山田堀井森田
※一部、撮影時のみマスクを外しております

人との関わりや変化がある場をつくる

―― 学生のみなさんに提出していただいた事前課題を振り返ってみてどうでしたか。

森田「全体的な傾向として、何かしら建物をつくるというアイディアは少なく、屋外提案が多かったのが印象的でした」

山田「移動販売、ワークショップ、ポップアップ店舗が多かったですよね」

森田「何十年使い続ける施設というよりも、人が関わり合うことで変化していく場所にしていきたいというような」

堀井「ハコをつくることを目的とせずに、人が集まることを目的として空間をつくっていますよね」

森田「だから、建築のボリューム感やデザインではなく、什器などの提案が多かったように感じます」
 


山田「今回の事前課題のテーマは未利用地の再定義・再活用でしたが、具体的な地名や場所を設定せずに考えている人もいました。インターネットに載っているような定義ではなく、街の中にある名もなき場所をオリジナルの名称をつけて設定していて、着眼点がおもしろいなと思いました」

堀井「その人独自の視点ですよね」

山田「他にも未利用地を汎用性があるものとして捉えることで、いろいろな場所で展開できそうなコンテンツをフラッシュアイディアのようにたくさん考えている人もいました」

堀井「ソフト提案ですね」

森田「オリジナルの名称をつくっていたりすると、おっ!てなりますよね」

山田「そうですね。独自の理論ではあるけれど、自分で仮説を立てて、自分なりに結論まで導いている提案は読み応えがあっておもしろかったです」

アイディアが生まれるプロセスを可視化するためのリサーチ



堀井「先行事例をきちんと調べている提案がいいなと思いました。例えば、自分が対象地として選んだ地域の条例や先行事例を調査して、定量的なデータをもとに分析できているものです」

山田「なるほど。ただ調べればいいってことではなくて、リサーチからどこに目を付けるかも大切ですよね」

堀井「そう。提案の味付けのためのリサーチではなくて、自分のアイディアを掘り起こすプロセスを可視化するためのリサーチですね」

山田「ただアイディアだけを語るのではなく、なぜその提案に至ったのかを相手に伝わるように示すことは企画を考える上で重要な点ですね」

森田「未利用地とは何か?みたいな考え方ばかりに集中してしまって、実現させるためのアイディアの肉付けまで書いているものが少なかったかなと。何のためのリサーチかが見えにくいものもありましたね」

堀井「自分が何をわかっていなくて、そのために何を調べることが必要で、それを調べた結果どういう発見があったのか、が分かるといいですよね」
 

チームで企画を考える難しさと楽しさ

―― 事前課題は個人ワークでしたが、インターンシップではチームで課題に取り組んでもらいました。どんな印象でしたか。

堀井「グループワークの課題は、未利用地に加えてソーシャルグッドの視点も増えたことで考えるのが大変そうな印象を受けました。未利用地は事前に考える時間があったけれど、ソーシャルグッドは当日出たお題なので、考えが深まっていないものも多かったです」

山田「そうですね。課題を作成した私たちの反省点でもありますが、せっかく事前課題で面白い着眼点を持っていたのに、チームでの提案になったときに弱くなっていたり、表現できていないチームがあったりと、みなさん苦戦されていたように感じます」

 
森田「チームの良さって、視点をどれだけ広く持っているかみたいなところもあったかなと思っていて。自分たちを客観的に見ることができるかどうか」

堀井「企画力とは、また別ですよね。特に今回は初対面の人とチームを組むから、発言の意図を汲み取ることがすごく難しかったと思います」

山田「プレゼンの評価が高かったチームを見ていると、誰かのアイディアに対してチーム全員がそのアイディアの面白さを共有できている。そこに至るまでにはすごく苦戦しているけれど、1つ大きな指針が決まるとあとはみんながいろんなアイディアを出しやすくなっていた感じかな」

森田「最初に事例の共有やアイディアの共有をたくさんできたチームほど、後半のやりやすさに繋がっていたのかもしれないです」

堀井「衝突が少なくスムーズに進行したチームが、結果的に上位だったかというと必ずしもそうではなかったですね。良い提案をつくっているチームは盛り上がってはいるけれど、その提案に納得がいっていない人が実は1人くらいいたりしますよね」

森田「そういう人がハッとする気づきをくれたりしますね」

山田「気になるところをチームで指摘しながら解消し、アイディアがどんどん肉付けされていくと提案の精度が増していきますよね」
 

手法で終わらず、具体的な体験の中身を考える

―― 事前課題、チーム課題を通じて提案内容に傾向はありましたか。

森田「モビリティーの提案が多かったです。あと、自然と街が共存していくような考え方が多かったかな」

堀井「事前課題でも同じことを感じましたが、床・壁・天井をしっかりとあつらえた、いわゆる“ハコモノ”提案じゃないんですよね」

森田「『多くの人に使われる空間』『可変的に成長していく空間』といった提案が多かったのが印象的でした」

山田「イベントやワークショップという言葉だけで提案が終わってしまっていたチームもあったので、もう一歩踏み込んでその中身についても聞いてみたかったですね」

森田「手法に留まってしまっているということですね」

山田「イベントやワークショップも、誰に対してどんな内容なのかまで考えてみると、その場所やそのチームならではの提案になっていったかなと思います」



学生の皆さんの提案書を振り返りながら、企画の考え方やチームで仕事をするときの取り組み方など、自分たちの普段の仕事に通じる話にまで広がっていきました

乃村工藝社で働く楽しさとは?

―― 最後になりますが、学生のみなさんに一言ずつお願いします。

堀井「ソーシャルグッド、未利用地という課題は、とても難しかったと思います。きっと何を調べても、はっきりとした答えは出てこなかったのではないでしょうか。正解のない課題に遭遇することは大変ですが、その中に少しでも楽しさを見いだせたら、きっと仕事も楽しめます。今回のインターンシップで、そんな面白さを感じてもらえていたら幸いです」

森田「初めましてのメンバーと2日間、空間のプロになりきる弊社のインターンシップはいかがでしたでしょうか?学生のみなさんのアイディアや考え方は、私たちにとっても刺激になることが沢山でした。当社で仕事をする醍醐味は、まさにチームで一丸となって世の中に無い新しいアイディアを生み出したり、社会課題を解決していくことにあると思います。そんな楽しさや難しさを、2日間のインターンシップで感じることができていたら私たちにとっても幸せです」

山田「今回のインターンシップは乃村工藝社らしい仕事の仕方を感じてもらうための課題設定だったので、チームで提案をまとめて、発表・審査まである内容はとてもハードだったと思います。そのなかでも、学生のみなさんがチームで仕事をするプロセスを少しでも楽しみながら取り組むことができていたら嬉しく思います」

 ―― ありがとうございました。
 

(企画:堀井麻央・森田絵理・山田知佳/文:山田知佳/対談写真:佐藤英樹)

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