空間と体験の可能性を追求する乃村工藝社のオウンドメディアnomlog(ノムログ)。
天野 真希 ノムラの教育・研修担当
ノムラの教育・研修担当

持続可能な未来へ、フェアウッドを学ぶ。~ノムラの新入社員研修~

2022/09/09

はじめに

乃村工藝社の人財開発部門で社員の教育・研修を担当しています、天野です。
今年の7月28日、乃村工藝社の新入社員研修において、”もりまち産地体験会”を開催しました。埼玉県飯能市の西川林業地域を訪れ、木がどのように育てられ、加工され、木材になるのか、その過程を1日通して体験するプログラムです。当社では、2010年にフェアウッド応援宣言を行い、国産材の価値を活かし豊かな木質空間を作る、空間の価値提供に力を入れています。産地体験会はこれまでも社員を対象におこなってきましたが、新入社員研修での実施は初の試みでした。もり側(林業・木材産業事業者)と繋がりが生まれ、森・木との関わり方について向き合う1日となりました。今回はもりまち産地体験会の”実施背景”・”内容”・”学び”を綴りたいと思います。
(※フェアウッドとは・・”合法・持続可能な木材”)

実施背景:なぜ新入社員研修で産地体験会を?

新入社員研修で、木材の産地体験会を実施する会社はなかなか稀なのではないでしょうか?はじめに、実施に至った背景をお話します。
今年の新入社員研修では“ノムラの事業の理解・共感”を軸に置き、新入社員に会社の取組みを、より身近なジブンゴトとして捉えてほしいという狙いがあります。(ノムラの事を好きになってもらいたい、そんな気持ちです。)国産材や地域産材(※消費地との距離が近い地域の木材)を活用する”フェアウッドプロジェクト”は長年当社が力を入れている取組みの1つで、より理解・共感してもらうためには、原体験をつくりたいと思ったのが発端です。
知りたい事はスマートフォン1つ、片手でササっと調べられる時代の中で、時折、どこか知った気になっているとハッとさせられることがあります。実際に時間をかけて足を運び、目で見て体験したことは自分の言葉として語れると思います。そして、その土地で人と出会い、想いを伺うことで、より深い学びへ繋がります。
空間を創造する会社として、新入社員にその重要性を実感してもらいたいという想いから、開催に至りました。

産地体験会は、合同会社西川Raftersの若林知伸さんにコーディネートをご協力頂きました。
 

もりまち産地体験会1日の流れ

ここで体験会の1日の流れを簡単に説明します。
9:30に飯能駅に集合し、主に以下の4か所を訪問させて頂きました。
①山林見学→②原木市場見学→③製材所見学→④振り返り交流会
①山林見学(訪問先:有限会社創林)
江戸時代から代々林業を営む、井上淳治さんが育てる山林を見学いたしました。
山の中を1時間半ほど歩きながら、木がどのように育てられるのか、近年の森林・林業の状況、地域山林の歴史についてお話いただきました。


(苗木を植えてから、木材として利用できる一人前の木に育つまで、少なくとも40-50年かかるそうです。木が育つまでにかかる時間の長さに驚きました。※屋外であったため、熱中症対策のため一部マスクを外しています)
②原木市場見学(訪問先:株式会社吾野原木センター)
お昼を食べ、午後一番に、西川林業地域の代表的な原木市場を見学いたしました。
ここでは、山で伐採された木が、大きさや樹種ごとに選別され、せりにかけられます。原木の売買方法や単位、価格帯、また、木材の種類による特徴などをご説明いただきました。

 (こちらの写真の木材は、相場1㎥あたり3万円とのこと。木が育つまでの年月を考えると、木材の価値が正当に評価されているのか、考えさせられました。)
 
③製材所見学(訪問先:大河原木材株式会社)
製材所の工場では、原木市場で見た原木が、どのように木材になるか製材の工程を見学し、その後、ストックヤードで、木材をどのように乾燥させるのかをお話いただきました。

 (一般に木材の天然乾燥は半年~1年かけて行うそうです。人工乾燥の場合、約1週間で乾燥できるそうですが、木の香りや風合いを高く残すには、断然、天然乾燥とのこと。買い手からも天然乾燥の木材の要望が多いとおっしゃっていました。)
④振返り交流会
飯能商工会議所をお借りして、体験会の学びを共有し、”どのような木材をどのように使いたいか”というお題のもと自分たちができることをグループごとに考え、発表しました。体験会でお世話になった産地の方々にもご参加頂き、交流を深める場となりました。

 
お天気にも恵まれ、無事に1日を終えることができました。最後に今回の体験会の学びをまとめます。

≪学び:壱 木の魅力を五感で感じる≫

なんといっても、今回まず感じたことは、木そのものの魅力です。
森の中を歩いていると木が呼吸しているかのような生命力を感じ、原木市場では癒しをもたらす香りを楽しみ、商工会議所では、木材がもたらす柔らかい空気感に暖かい気持ちになりました。
1日を通して、私たちは木からたくさんの活力をもらい、木のもつ魅力を肌で感じました。
 
 

≪学び:弐 木に関わる人と出会い、想いにふれる≫

木に関わる方々から直接お話を伺い、たくさんの新たな気づきを得ることができました。
特に印象に残っているのが、山主の井上淳治さんの“木を使うだけではない、空間としての森林の使い方を考えてほしい”という言葉です。木・木材として捉えていた対象が、この一言で森林全体の空間の使い方へ、視点が大きく広がった感覚がありました。広く長く新しい視点が求められていると知りました。新入社員からも「木をマテリアルとして捉えていたが、その土地すべてのことを見るべきだと気づいた」「森を大きな目で見て、どう活用していくか考えたい」という感想が見受けられました。
1日を通して産地の方々からお話を伺い、木にまつわるストーリー・捉え方が以前より大きく広がりました。

≪学び:参 木を取り巻く環境と私たちができることを考える≫

体験会が終わった後に、新入社員の感想として多く挙げられたのが、
「木が育ち、加工され、木材になるまで何十年と時間がかかることに感銘を受けた。そして、関わる人が長い年月をかけて木と向き合っている熱意を知り、木材の価値をもっと高めていくために何ができるか、考えたい」というものです。産地の方からも「木が評価されにくく、木材の価格が低迷している今、森林認証材を活用するなど、ぜひ一緒に出来る事を考えてほしい」とのお話がありました。

体験を1回きりで終わらせず、自分のいる環境で何が出来るか、長い視点で考えることが大事だと思います。そこには、きっとノムラだからこそできることがあると思います。今すぐになにか、というのは、正直難しいかもしれませんが、今回感じた気づきや想いを、自身の引き出しの中に置いて、時折引き出しながら、これから働く中で活かしていってほしい、私自身も活かしたいと思いました。

おわりに

実際に足を運んで、自分で見て感じ、出会った人の想いを聞き、見ている視野を広げていく。その重要性に改めて気づく場になりました。今回の体験会は、新入社員にとって心に残る体験となり、長い目で見たときにも、乃村工藝社の一員として、物事を一点としてではなく、その背景を深く広く捉えられる人へ、そのような一歩に繋がったのではないかと思います。

今回、産地体験会にご協力頂いたみなさまに心から感謝いたします。

産地コーディネート:合同会社西川Rafters

ご協力:大河原木材株式会社、株式会社吾野原木センター、西川バウム合同会社、飯能商工会議所、有限会社創林、NPO法人 西川・森の市場
 
天野 真希 ノムラの教育・研修担当
ノムラの教育・研修担当
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